サイト設置にあたり

※この記事は、過去ブログに掲載した記事を加筆・修正のうえ再掲したものです。

●2度の失敗を経て

実は、筆者は2000年頃に同名のサイトを運営していたことがある。当時、ある活動を行っていたのでその活動報告などを中心に、自分の趣味(自動車等)を絡めたコンテンツのサイトだった。

「ある活動」をやめたと同時にサイト自体の役割も終わり、ただ自分の趣味のものが並べられたサイトになっていた。しかし、趣味のものを並べるといっても質・量ともに役に立つ情報でもなく、継続的なビジターを望めるような代物ではなかった。そのうちアクセスカウンタも動かなくなり、筆者のモチベーションもどんどん下がっていく。掲示板だけしばらく生かしておくも結果は言わずもがなで、ついには閉鎖と相成った。

その後、2003年公開をめどにリニューアル版の作成を始めた。データベースと連動し、更新の手間を楽にしようというコンセプトで作っていたものの、肝心のコンテンツが前と同じく役に立たない域を出ておらず、またもや方向性がつかめずモチベーションが続かなかった。結局、トップページと一部のページが完成したのみで、このリニューアル版は日の目を見ることなくボツとなった。

そして、性懲りもなく3度目のサイト作成である。今回は、過去とは違う方向性を見いだせたのだろうか。

●3度目の正直のコンセプト

筆者が鉄道模型(Nゲージ)に復帰し新幹線模型を収集し始めたころ、ネットで情報を集めるわけだけど、某巨大掲示板なども含めて、正直なところ客観的な評価や詳細な情報を知ることは難しかった。中には詳しいレビューも存在するが、一部形式だけだったりして、新幹線模型を総合的に、しかも詳細に扱っているサイトというのは皆無に等しかった。

それでもコツコツ集めていたら、いつのまにか自分自分が膨大な数のコレクションを所有する立場となってしまい、それなら自分で、自分自身がそうだったように、模型の購入を検討する人が知りたいような情報を扱ったサイトを作ってしまおうと考えたわけである。継続的・定期的に情報発信できるネタとしては申し分ないし、それらをもとに資料性の高いサイトを製作すれば、多少なりともビジターを呼べるのではないかと考えた結果、3度目のサイト作成・公開に踏み切った。

当サイトが目指しているのは、各種記事を「あれはどうだったかな?」といつでも見に来てもらえるような、資料性の高いサイトである。情報の正確さは当然心がけるとして、特に「情報量」を重視することにした。例えば新幹線の話題であれば実車でも模型でも、自分が知っている事や気付いた事は、どんな細かいことでも、長文で冗長な内容でも構わないからとにかく載せようと。

もちろん、「そんな細かい情報いらない」「長文ウザイ(このページもな・・・orz)」という人もいるだろう。だけども、たとえ当サイトを訪れた99%の人がそう思っても、「これを知りたかった!」「そうだったのか!」となる人が1%でもいるんだったら、少しでも多くの情報を載せておきたい。それらの中から、どれを必要とし、不要とするかは読者の方に取捨選択していただければいいと考えている。100ある情報のうち、1つでも製品選びを迷っている方や、模型の工作などのお役に立てたなら、筆者としてはこの上なく嬉しいことである。

要点だけがまとまった、シンプルに情報発信するサイトは素晴らしい。読む側も楽だし、それで満足する人が大半だと思う。・・・だが、主要な情報に限られてしまい、ディープな情報はオミットされがちだ。

だから、当サイトは異なるアプローチでやってみたかった。読者に取捨選択を強いているともいえるが、情報が多いだけなら、不要な情報はスルーすればいいだけだ。こうしたコンセプトが正しいかどうかはわからない。でも、他と同じことをやっても埋もれるだけだしね・・・

●今どき「ホームページ」?

初代「SpeedSphere」の頃は、Webサイトを作成するにはHTMLを勉強したり、Webサイト作成ツールを使う必要があって、決して楽なものではなかった。また、コミュニケーションの場といえばもっぱら掲示板だった。

現在では個人の情報発信はブログやSNS、Twitterなどにとって代わられた感がある。特にブログはそれなりの情報量が載せられる上に、HTML等がわからなくても更新できる手軽さが受け、通常サイトの代用も数多く見られるようにもなっている(手軽ゆえに扱いを誤って炎上させる人も多いが・・・)。

筆者は日記的な記事や手軽な雑談にはブログを使うが、当サイトは2010年末の開業にして、俗に「ホームページ」と呼ばれるスタイルで制作している。このブログ全盛の時代になぜ?時代遅れじゃないの?と思われた方もいるかもしれない。

ブログは時系列で記事を管理するため、古い記事が流されてしまう。それゆえに日記や活動報告、ニュースや実況等とは相性がよいものの、前述したような「資料性の高い記事」を載せるとなると、やはり通常のサイトと比べて検索性や閲覧性が悪い事は否めない。筆者の考えるコンセプトには不向きなのである。

ブログと並んで簡単にサイト管理ができる「CMS(コンテンツ・マネージメント・システム)」というものある。わかりやすい例だと「Wikipedia」が最も有名であろう。ゲームが好きな人なら「攻略Wiki」などがお馴染みかもしれない。ページのレイアウトやデザインは決められていて、編集者はやはりHTML等を気にすることなく、記事のみ投稿・編集できるシステムである。ブログのように時間で流れてしまうこともなく、資料性の高いサイトにも十分耐えうる。

用途ミスマッチではないのでCMSの採用も考えたが、かゆい所に手が届かないというか、自由度が低い気がして採用とはならなかった。そもそも筆者がHTMLやその他プログラミングを苦痛に思わないので(一応そっちでメシ食ってるし・・・)、CMSの強みがほとんどなくなってしまい、結局「自分で作っちゃえばいいじゃん」というところで落ち着き、旧態歴然とHTMLやCSSを書いてサイト制作をすることになった。

●更新を楽に!

それなりのビジターを望むなら定期的な更新が欠かせないが、通常のサイトはブログと比べて面倒なのは確かだ。更新作業が面倒だとモチベーションが下がってしまう可能性があるので、そのへんの負担を軽減することも重要だ。

一般的なWebサイトはHTMLファイルをサーバに配置し、ブラウザにHTMLを読み込んで表示する。1ページ=1HTMLファイルというシンプルな構成で、あとはリンクによってページを切り替えてるわけだ。HTMLさえわかればテキストエディタ(メモ帳など)でも製作できるくらいお手軽だが、コンテンツが充実してくるとファイル名や階層構造が変わった場合、修正量がすごいことになる。フレームセットにすればHTMLの共用がある程度可能だが、HTML5では同タグが廃止されたように、今後は推奨されない傾向にある(使っても構わないんだけどね)。

一方で、掲示板やブログ、ショッピングサイトのように、状況に応じてサーバ側で都度HTMLを生成する「動的」なコンテンツを実現する仕組みが存在する。掲示板等で使われる「CGI」は名前くらいは聞いたことがあると思う。この手のシステムは他にもPHP、JAVAなど多岐にわたるが、筆者は(他のプラットフォームもやるけど)マイクロソフト系の開発が多かったので、当サイトを「Microsoft ASP.NET」をベースに制作することとなった。

ASP.NETは簡単な動的コンテンツはもちろんのこと、入力からデータベースとのやり取りまで行え、ショッピングサイトや業務用アプリケーション、社内基幹システムまで作れてしまう、プロユースレベルの代物である。サイトを置いてくれるホストにはWindowsの採用が少なく(無料というとさらに少ない)、業務用ならともかく一般の個人サイトにはオーバースペックな気がしなくもない。

しかし、ASP.NETにはテンプレート的な役割の「マスターページ」「ユーザコントロール」をはじめ、XMLという形式のデータに階層構造を記述しておけば、自動的にナビゲーションリンクを作ってくれるなど、一部を除いてプログラムレスで実現できる機能が大量に用意されている。それらが保守の簡略化・更新の容易さにメリットをもたらすことは明確で、採用しない手はなかったのである。

例えば、ページ上部のナビゲーションバー(階層表示)は、ASP.NETの機能を用いてプログラムレスで実現している。全ページに自動的に表示されるので、各ページにコピペなどしなくてよい。これ以外にも、ASP.NETの機能にあやかっている個所は枚挙にいとまがない。当サイトは一見HTMLオンリーの静的サイトだが、実は動的なサイトなのである

●最後に

サイト製作を始めたのは2009年3月くらいからで、サイトオープンまで実に2年近くかかってしまった(ボツ記事もかなりある)。実車・模型に限らず鉄道系サイトとしては超スロースタートな上に、オープンから1年足らずでリニューアルのために半年程度更新停止というドタバタ状態になってしまったが、ようやくやりたい事というか、方向性が見えてきた気がする。

当サイトの検索キーワードを見ると、やはり新幹線模型のレビューや比較の情報は需要が高いようで、少なくとも扱うテーマや進む方向は間違っていないことを実感している。今後はさらに推し進めて、新幹線のNゲージは新旧問わず全形式・全商品購入し、そのすべてを詳細なレビューで紹介することができれば、読者が欲する情報がネットでいつでも見られるという、永久保存版的な、まさしく資料性の高いサイトになるかもしれない。

一方で、個人でやることによる限界・・・経済的な問題や(正直、潤沢な資金があるわけではない)、自分が欲しいと思っていない製品の購入もあるかもしれない。また、できる限り情報を早く提供したいと思っているが、普通に仕事している以上、サイト製作に割く時間が限られているなど、理想的なサイトに実現には、いろいろ矛盾や限界、ジレンマを感じていることも確かだ(かといって、団体や企業でやりたいわけではないけど)。

でも、もう後戻りできないし、するつもりもない。たとえ時間がかかっても、自分で出来る限りのことはやっていこうと思っているので、今後とも、末永く見守っていただければ幸いである。