●まえがき

2011年の8月7日〜9日の3日間、関西・九州方面に新幹線撮り・乗り鉄の旅に行ってきたので、そのレポートを書いてみた。

「模型と関係ないだろ!」というツッコミ承知の需要無視レポートだし、資料性もゼロに等しいが、枯れ木も山のにぎわいと・・・案外、枯れ木の中にお宝が眠っているかもしれませんよ?と強引に書き進めてみる(w。まあ、筆者の新幹線(模型以外)に対する行動を紹介するものとして、たまにはこういうのもいいんじゃないかと。

●遠征の目的

新幹線の写真を撮ったり(趣味で)乗ろうとした場合。例えばJR東日本の新幹線車両なら、とりあえず東京駅に行けば、東北・上越・長野・山形・秋田新幹線を走る全形式を見ることができる。東海道新幹線の駅も隣接しているから、そちらの車両を見ることも容易だ。横浜市在住の筆者にとっては東京駅まで出るのは造作もないし、乗るだけなら東京〜新横浜、東京〜大宮というのも、それほどの時間やお金をかけずに体験することができる。

しかし一方で、東京駅では・・・というか、少なくとも関東地方にいる限りは、山陽・九州新幹線でしか走っていない車両は見ることすらできない。それらは見るだけだとしても、少なくとも新大阪までは出向かなければならない。九州新幹線に至っては博多まで出る必要があり、費用的にも時間的にも、筆者にとっては(というか、たいていの人には)高いハードルだ。

それでも筆者はこれまで、何度か関西や九州に「新幹線が目的で」出向いたことがある。2003年に博多総合車両所のイベント、2004年に九州新幹線開業後まもなくの遠征、そして2008年に0系乗り納め。当時はまだまだ写真も未熟で(今も修行中ですが)、今ほどディテール写真や形式写真は押さえていなかったし枚数もそこそこだが、このサイトの掲載写真になったものもあり、未だに貴重な資料になっていることは間違いない。

最後に山陽新幹線方面(新倉敷駅まで)に行ったのが0系乗り&撮り納めの2008年夏。あれから3年が経過した現在、山陽・九州新幹線にもいろいろ変化があった。

  • 0系の引退
  • 500系の「こだま」化
  • 新800系(U007〜009編成以降)登場
  • 九州新幹線全線開業・山陽新幹線直通運転開始
  • N700系S・R編成による「さくら」「みずほ」登場
  • 「さくら」登場に伴い、「ひかりレールスター」の700系E編成が何本か「こだま」に
  • 100系P編成(4両編成)の引退
  • 100系K編成に復活塗装が登場

車両に着目すると、見ても乗ってもいないのが500系(V編成)、N700系(S・R編成)、新800系。一方、引退間近で最後の乗車チャンスと思われるのが100系700系E編成はまだまだ走ると思うが、「ひかりレールスター」としてはそろそろ終わりが見えている。実際、時刻表を見ていると9月1日からかなりの数の「ひかりレールスター」が「さくら」に置き換わり、押し出しで700系E編成が「こだま」に転用され、さらに押し出して100系が引退するという傾向は明らかだった。

日常的に見に、撮りに、乗りに行ける東北新幹線や東海道新幹線と異なり、山陽・九州新幹線は数年もたてば浦島太郎状態だから、そろそろフォローしておきたかった。

具体的な行動としては、まずは「撮り」だろう。といっても筆者の場合、作品作りや記念的な記録が目的ではなく、形式写真やディテール写真の収集という資料集めの性質が強い。当サイトのオープン後の初遠征ということもあり、「取材」といった方が適切かもしれない。あとはサイトで掲載できる程度の、見てくれのいいスナップ写真が撮れれば良いのだ。

その中でも、引退寸前の100系と、筆者にとっては遠すぎて見る機会がほとんどない800系については、今回の遠征で可能な限り押さえておきたいと思った。資料集めとなれば、ターゲットが数多く走っていて、引退フィーバーになる前に動く方がいいに決まっている。

そして、もうひとつは「乗り」である。今回の目的が「撮り」だけなら、「18きっぷ」や夜行バス、自動車での移動のほうが安くて自由度が高いかもしれないが(筆者の愛車はハンパないガス喰いなのでむしろ高くつく可能性があるが)、新幹線に乗ること自体を楽しめる筆者としては、要するに乗りたいのだ。それも、東京〜新横浜みたいなチョイ乗りではなく、がっつり乗りたい。九州新幹線の新規開業区間も、自分で乗って体験しないと気が済まない。その流れの中で引退直前車両の乗り納め、未乗車車両への乗車を同時に行えれば合理的だ。

移動に新幹線を使うということは費用は高くつきがちだ。だからこそ、この手の遠征は数年に一度のイベントになってしまうわけだけど。

●事前計画と準備

当初は秋ごろに行く予定だったが、前述の通り9月1日を境に車両がかなり動くため、8月の夏季休暇の数日を使うことにした。今年は節電の影響でいつもより夏季休暇が1週間早まったため、混雑するお盆休みを避けられてちょうどよい。

期限は限られているし、金額的にもやり直しはできないから、失敗は許されない。そうなると、事前の計画と準備が欠かせない。撮影ポイントの確認、列車の通過時刻、その時にいなければならないポジションなど、分単位のスケジュールを刻む行動メモを作成した。

撮影ターゲットについても、例えばN700系のZ・N編成、700系のC・B編成は地元でいくらでも撮れるので、今回のタイムテーブルには組み込んでいない。カメラのメモリにも限界があるし、余裕があれば撮るという程度の扱いでしかない。一方、山陽新幹線の車両(100系や500系など)は停車・通過の時刻を網羅し、可能な限り撮るという扱いである。100系と500系が同時に到着しているような場合は、今後も乗車機会がありそうな後者よりも、引退が明らかな前者を優先するという具合に、優先順位も決めておく。

今回は長距離の上に、乗り継ぎや途中下車などがあって複雑だから、当日の乗車券もあらかじめ用意しておく必要がある。指定席は売切れたら終わりだから、なるべく早く購入しておきたい。一方で天候も問題で、雨に降られたら台無しだ。天気予報は精度を考えたら3、4日前まで安心できない。天気予報と空席案内をにらめっこする日々が続き、夏季休暇中の8月7〜9日に遠征を決定。乗車予定の「さくら」が結構な人気で、唯一窓側が取れなかったが、その他はすべて希望する列車で窓側をゲット。宿泊予定のホテルも空室が残っていたので、そちらも予約を入れておく。

8月2日、東京駅で乗車券と特急券を購入。金額が金額だけに、もう後には引けないというプレッシャーを感じた。あと、新横浜から鹿児島中央まで乗り通しで、しかも複雑な乗り継ぎなどがある変態行動切符は滅多に出ないと思うので、窓口のJR東海の駅員さんを翻弄してしまった(汗)。ゴメンナサイ。

●せっかくだから、俺は300系を選ぶぜ!

今回は新横浜から乗車して最初の目的地は広島となるので、普通なら「のぞみ」で行くのが一番早い(空路は眼中にないので念のため)。よって、当初は「のぞみ(N700系充当)」で計画していたのだが、山陽新幹線ばかり着目していたのですっかり忘れていたが、当時引退が近いとされた300系をスルーする理由はないなと

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2012年3月で全車引退した300系。写真はJ25編成で2008年の小田原駅。


しかし、いくら乗りたいと思っても近年猛烈にその数を減らしている300系。限られたスケジュールに組み込めるかが問題である。調べてみると「ひかり501号」が300系での運用ではないか。しかも臨時ではなくレギュラー運用である。当初予定の「のぞみ7号」より30分早い発車となるが、到着は4分遅いだけなので、全体的な行程にもほとんど影響を及ぼさない。というわけで、出発する1週間前、ギリギリのタイミングで300系をチョイスすることになった。

300系は直近では2009年の浜松工場イベントに行くのに乗っているし、乗り納めなら東京〜新横浜でもできるが、どうせ乗るなら、チャンスがあるならできるだけ長い距離で乗りたいではないか。チョイ乗りではなく新大阪まで300系で行くとなると、やはり今回が最後の可能性が高いし。

300系は初代「のぞみ」車両なので、そのイメージが強い方が多いかもしれないが、筆者が新幹線趣味に入ってきたときは「のぞみ」は500系&700系、「こだま」は100系が残っていた時代であり、300系は「ひかり」の主力車種というイメージが強かった(当時は「のぞみ」よりも「ひかり」の方が多かった)。300系を「ひかり」で乗り納めできるというのは、個人的には申し分ないといえた。

●1日目・・・早朝出撃

最初に乗る列車「ひかり501号」は新横浜を6:46出発と結構早く、横浜市内とはいえ自宅を出たのは5時台である。当然、起きたのはもっと早い。早起きは苦手だが、サーキット通いしてた時は月に2回程度5:00出発とか普通にやってたので、それを思えば気は楽か。タイヤ交換もしなくていいし。

新横浜へはJR横浜線でアクセスしたが、この時間は横浜駅からの直通がなく、定番の東神奈川乗り換えとなる(これさえなければなぁ)。新横浜駅での乗り換え時間は10分と短かったので不安もあったが、連絡通路経由で3分ほどで改札内に。飲み物買う程度の余裕は十分にあった。

ホームで待っていると、ほどなくお目当ての「ひかり501号」が入線。予定通り300系で、JR東海のJ57編成が充当されていた。ちなみに、JR西日本のF編成は乗ったことがなかったりする・・・

新横浜を定刻通り発車。行程はまだまだ長い。

●300系で新大阪へ

関西方面に行くときはたいてい「のぞみ」なので、次の小田原は通過する場合がほとんどだが、「ひかり501号」は小田原にも停車する。いつも撮影に使っている駅を車内から見るのは新鮮。

小田原出発時点での乗車率は70%くらいで、空席もいくつかあった。筆者は12号車のA席(3列席の窓側)だったが、終点まで横に誰も来なかったのでラッキーである。

小田原を出れば、次は豊橋までノンストップだ。この間は長いのでのんびり過ごした。300系は270km/hで走行しているが、カーブが多い東海道新幹線ならではのGを味わう。7月に東北新幹線を仙台まで乗っているが、あちらにはない感覚である。

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たまに窓際にカメラ置いて動画撮影。浜名湖を通過中。


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浜名湖を通過してしばらく、在来線(東海道本線)の列車をあっという間にぶち抜く。速い速い。


次々と駅を通過していくが、300系での270km/h通過を体験するのは初めてかもしれない。300系は東海道新幹線では初めて270km/h走行を可能にした車両であるが、筆者が新幹線趣味を始めた頃は300系の「のぞみ」運用はほとんどなく、「ひかり」が主流だった。当時の「ひかり」は100系がまだ残っていた関係で220km/h運転であり、300系の俊足を活かせないでいた。2003年に100系が引退すると、300系も含めて全車270km/hに統一されたが、その頃には300系は「こだま」に移行していたため、駅を通過する機会に恵まれなかったのである。

名古屋を出てから車内徘徊を始める。車内の様子も見てみたいし、可能な限り写真も撮っておきたいので。ただ乗るだけではもったいないからね。名古屋からは各駅停車となるので、車内もだんだん空いてくると踏んでいたが、下車もあるが乗車もそれなりにあり、混雑度はあまり変わらない。

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グレー基調でビジネスライクとはいえ、間接照明がなかなか雰囲気を出している普通車。見ての通り、それなりの乗車率である。


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グリーン車はガラガラだったので撮り放題。車内については評価が芳しくない300系だが、それでも新幹線グリーン車ならではの重厚さは健在。

お金があるなら、この座席で優雅に移動したかったよ(涙)。


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1号車まで徘徊したところで、岐阜羽島で通過待ちのため停車。特に用はないが、気分転換にホームに出てみた。


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携帯電話が普及した現在でも、カード式の公衆電話が残る(N700系にもあるけど)。電話の上部には「ひかり」「501号」という表示機があり、時代を感じさせる。


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300系にはかつて売店設備があったが、現在はワゴンによる車内販売のみ。しかし、ご覧の通り設備自体は撤去されておらず、封印されているだけである。


座席のある12号車から1号車方面に車内徘徊し戻ってきたが、16号車方面は喫煙車があるのと、特に見るべき設備もないのでやめておいた。

次の米原を発車すると進行方向左側(筆者が座っている)にアレが見えるので、忘れずにカメラを向けた。

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ガラスに車内が写ってしまったが、米原駅の近くにある「鉄道技術研究所・風洞技術センター」に保存・展示されている、3種類の新幹線の試験車両。

左から「300X(JR東海)」、「STAR21(JR東日本)」「WIN350(JR西日本)」。かなり前の話だが、近くまで行って撮影したこともあったりする。


京都を出て、定刻通り9:30に新大阪に到着。220km/h運転の頃は停車駅が名古屋と京都だけでも3時間くらいかかっていたが、現在の「ひかり」は停車駅が多いにも関わらず所要時間が短い。50km/hの速度アップは伊達ではないようだ。

●久しぶりの新大阪

3年ぶりの新大阪駅は、北側に27番線ホームの新設工事を行っている以外、大きな変化はない。

「ひかり501号」は新大阪どまりなので、本日最初の目的地である広島に行くには乗り換えが必要になる。で、次に乗るのは500系充当の「こだま745号」。新大阪→広島なら「のぞみ」の方が早いし、「こだま」でも700系E編成ならすぐに乗車できたが、500系の「こだま」を体験しておきたかった。500系好きの筆者としては、可能な限り長く乗っていたいしね。

「こだま745号」の発車までは1時間以上空くため、時間つぶしに駅撮りすることに。

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乗ってきた300系(J57編成)を撮ろうかと思ったら、N700系(Z20編成)に居座られてご覧のあり様に。300系が引き上げ線に出るまで、N700系は動かなかった(涙)。

奥の700系も含めると、東京駅でもおなじみだった東海道トリオだが、現在はこの光景を見ることはできない。


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Z20編成のホーム向かい側には、入線したてのZ70編成が試運転中だった。N700系はZ80編成まで予定されているが、増備完了まであと少し。

3年前は、それこそ向かいのZ20編成あたりが最新だったのだが・・・改めてその増殖スピードに驚く。


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新神戸方の引き上げ線を見ると先ほど乗ってきた300系がいた。ホームにはF2編成も来てたので、その瞬間だけなら3年前の光景と変わらないかもしれない。


新大阪駅の一番南側に位置する20番線は、関東地方住まいの筆者にとっては名物ホームである。山陽新幹線方面「こだま」、「ひかりレールスター」、今年から運転開始したばかりの「さくら」「みずほ」といった、関東地方には絶対来ない組の列車の大部分が発着するからだ。

山陽新幹線専用列車は短い編成が多く、しかも折り返しのために長く停車するので、向かいの21番線から形式写真を全車両撮ることは容易だ。ディテール写真ももちろんイケる。そんなわけで、500系「こだま」の前に新鋭「さくら」が来る予定なので、その撮影でもしようかと思ったのだが・・・

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300系「ひかり」を降りてから、700系C43編成がずっと居座っていまして(上の3並びにも写っている)。結局、「さくら」が発車するまで動かなかったので、撮影はこれが精いっぱいだった。撮影チャンスは遠征期間中に他にもあるので、ここは諦める。

東京駅でE5系「はやぶさ」を初撮りした時もこんな感じだったような(東海道新幹線のホームから狙ったので)。


「さくら」が出た後は乗車予定の500系「こだま」入線となるが、それまで時間が空くのでこの間に昼食の駅弁をゲット。しばらくするとC43編成がいなくなり、新大阪名物・20番線がオープンに。そして、久しぶりというか、「こだま」になってからは始めましてというか、500系V編成が入線してきた。

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20番線の案内表示機には、3年前にはなかったピンクが鮮やかな「さくら」と、「鹿児島中央」の文字が新鮮な感覚。


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3年前は0系がいたその場所に、2010年2月に小田原駅で見送って以来、久々の500系(V8編成)が来た。

W編成(16両)時代しか知らない筆者としては、20番線に停車しているのは違和感を感じなくもないが、それでもこうして見て、撮って、そして乗れるのはやはり嬉しい。


「こだま745号」は10:39出発だが10:28入線なので、向かいのホームから形式写真と、ある程度のディテール写真を撮る余裕はあった。今後撮るスケジュールはあるが、撮れるならなるべく撮っておく。幸いなことに、この間21番線には列車が来なかったので問題なく撮影できた。

●至福の時−500系で広島へ

発車時刻が近付き、いよいよ乗車となるため20番線に向かう。ホームに上がると人が結構多い。

広島まで結構あるので(3時間近い)、指定席にしたかったのだが、500系「こだま」は指定席車が1両しかないせいか事前に売切れており、やむなく自由席に。満席になるわけではないから余裕で座れるし、またまた3列席を独占できたのでよしとした。

新大阪発車時点で乗車率は60%程度。山陽「こだま」はガラガラというイメージがあるのでちょっと意外だ。夏休みなので親子連れも多いが、3年前の0系もこんな感じだったので、新大阪始発の「こだま」はそこそこ乗るのかもしれない。

ようやく11:00になったくらいだが、朝早くから行動していたのでさっさと昼食にした。

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昼はとんかつ弁当をチョイスしたが・・・無難すぎ?筆者は食には保守的だったりする(w。


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開けてみてもフツーのとんかつ弁当ですな(w。まあ、別に味も内容も悪くなかったが。

でも、こんなフツーの弁当でも新幹線の中で食べると旅情というか、雰囲気を感じるのは筆者だけだろうか。


今回乗っている500系は「のぞみ」ではなく各駅停車の「こだま」である。駅に停車しては、後続の「のぞみ」などに何度も道を譲るのだ。そこには、かつて300km/h運転で名を馳せた姿はなく、今後も「のぞみ」に戻ることはないと考えると、ちょっと寂しい。

とはいえ、駅間は270km/h程度で走っている感じで(100系「こだま」も残っているのに?)、丸い断面も含めて車内はほとんど変わってないから、もちろん300km/h運転の迫力(=激しい揺れ)はないのだけど、なかなかどうして「のぞみ」時代の500系を彷彿とさせる走りっぷりだ。

岡山を出てもあまり降りなかったが、そろそろ車内を徘徊することにした。

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車内はW編成(16両「のぞみ」)時代とほとんど変わらず、丸い断面も健在だ。もっと人が乗っていると、東海道新幹線「のぞみ」っぽくなるのだが。


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シート生地の色、窓の間のカーテンのような飾りもW編成時代のまま。

唯一異なるのがシートの肩についた白っぽいすべり止め。立ち席客に備えたのだと思うが、ガラガラが相場の山陽「こだま」で立ち席って想像できない・・・ああ、博多南線があったか。


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6号車は唯一の指定席車で、グリーン車から改造されたため2+2列配置。

普通車の値段でグリーン車、もしくはそれ相当のシートに座れる(オーディオやフットレストは撤去されている)というのは山陽新幹線専用車両の特徴だが、全車両2+2配置の100系と比べると、500系は1両だけなのでちょっと見劣りする。


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7号車は売店などがあった元11号車で、300系同様にW編成時代に売店は廃止されているが、設備はそのまま残されている。

当然デッドスペースとなるが、定員には余裕があるし、撤去するにも費用がかかるのでそのままにしてあるのだろう。


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500系「こだま」は全車禁煙で運転されており、N700系と同様に喫煙ルームが設置されている(3・7号車に設置)。


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1号車先端部はノーズにかかっているため狭く、2+2列配置となる。先頭の2列は荷棚が狭いため、専用の荷物棚があるなどユニークだが、これらが東海道新幹線からの引退を早めた原因のひとつであった。

また、先頭部には客用扉およびデッキはなく、壁の向こうは運転室である。


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1号車がW編成時代と変わらないのに対し、反対側先頭車の8号車は2+2列の座席を撤去し、疑似運転台を設置してキッズルーム的な雰囲気となっている。

計器類はちゃんと動くんだそうで、なかなか本格的。


山陽「こだま」はガラガラというイメージがあるし、実際そうであることが多いので、この疑似運転台には誰もいないことが多いようだが、この日は夏休みということもあってか、写真のように本来の役割を果たしているようだった(帽子も貸し出していた模様)。

筆者もちょっとだけ座ってガチャガチャやってみたかったが(w、大きいお友達はお呼びでないようなので、撮影すらできずにそそくさと退散した。

最初は5号車に乗っていたが、一通り車内徘徊を済ませた後は比較的空いていた7号車に移動しのんびり過ごした。好きな車両で過ごす至福の時も、終わりが近づいている。

13:22に広島到着。新横浜〜新大阪とそう変わらない時間は乗っていはずなのに、あっという間に感じた。正直、乗り足りないくらいだ。広島でかなり降りたが、新大阪からの乗客も多数いたため、わざわざ500系「こだま」をチョイスした人が多かったのかも。おそらく、ガラガラになるのはここからで、そのまま乗っていたら疑似運転台で遊べたかもしれない(未練)。

まあ、いずれまた乗る機会は来るさ。